ディレクター田中嗣久さんに聞く、
「広告業界がキラキラするために今、必要なこと」
歳を重ねるごとに、
どんどん楽しくなっている
―― まずは自己紹介からお願いします。
田中CMディレクターの田中嗣久です。
―― ディレクターを何年もやってますけど、
どんな部分にやりがいを感じていますか。
田中やりがいねえ。
年齢と共にどんどん楽しくなってるってきてるよね。
昔よりやりやすい環境になってきてて、
ストレスが減ってるし。
―― どういうところが楽しくなってきてるんですか?
田中多分、演出としては、経験を積み重ねて
スキルがついてきたっていう自分の成長と、
賞を獲ったりだとかの実績を積み重ねてきた
ってのがあって、信頼を得るようになって
きてるのかな。
少しずつ、面白い表現物を作れる機会も増えて、
やりやすい環境になってきてる。
あと、長くやってきてるから、出会った人達、
クリエイティブにしてもそうだし、
スタッフにしてもそうだし、ある程度知ったメンバーと
仕事するっていう楽しさもあるし、
やりやすさもあって。
若い頃、特に東京の仕事をするようになった頃
ってのは、名前も知られてないし、実績もないから
なかなか大変で、今に比べると事情に飲まれて
苦労する状況が多かったから。
自分の実力が足りてなかったのもあるけど。
今は、こうしたいなっていうところを、クライアントや
クリエイティブが思ってることと擦り合うようにも
なってきてるところもあって。
―― 擦り合うっていうのは、クライアントがやりたいことと嗣久さんがやりたいことが
目指すゴールが同じになってきている?
田中そう。
以前に比べると、クライアントやクリエイティブが
満足できるようなアウトプットになってきてるんじゃ
ないかなと思っていて。
まあ、元々は自分で企画をしてきたってのもあるから、
そもそも企画や企画者に対してのリスペクトがあって、
その企画もクライアントは納得してGOを出してる
わけだし、リスペクトがあるから、企画の伸ばし方
にしても、その企画を大事にした伸ばし方をする
タイプだと思うんだよね。
てこともあると思うけど。
―― 昔はそうじゃなかった?
田中ズレがあったのかもしれない。
―― それは演出家としてのエゴじゃないけど?
田中それは少し強かったかもしれない。
ただ、俺の場合、自分でも企画はしてたからね。
企画は大事にしてたと思うけど。
―― 問い合わせが来る企画の内容とか選定とか、
そういうのは昔と今って変わってきてます?
田中若い頃は、企画の良し悪しだけを見て判断してたけど、
それをやってると、企画はいいけど、仕上がりが
企画より悪くなるってことが結構あったりしたのよ。
エージェンシーが事情に振り回されて、
自分もいろんな事情にのまれたりしちゃって、
てことが結構あったりして、気づいたら
よく分かんないものができてた、みたいな。
そもそも自分のやり方もブレブレだったんだけどね。
演出コンテを描くにしても、こういうことですよね?
というAパターン、ちょっとジャンプさせたBパターン、
本当はここまでやりたいというCパターンの
3パターンを出したりしてたってのもあるんだけどね。
まあ、うまくいくわけないよな。
でも、そういううまくいかない時期があったから、
今は、企画だけじゃなくて、クリエイティブが
誰かっていうのも聞いて判断するようにしてるのよ。
―― さっき言ってた信頼するメンバーとか、
その勝手知ったる人たちとやるのは
信頼関係もできていて楽しい、っていうのが
あるのはそうだと思うんですけど、
逆を言うと、そういう人じゃない人たちの仕事
ってのは、そこに楽しさが見いだしにくいところ
ってのはあるんですか?
田中それはないかな。
知らないことへの不安はもちろんあるけど、
結局、面白くなる企画であれば。
しかも今だと全員が新しいクリエイティブ、
新しいスタッフみたいな、全員が知らない人
ってことはまずないじゃん。
―― スタッフの選定においては、
嗣久さん中心ですしね。
田中そうそう。
でも、以前上海の仕事をした時は、
上海のクライアント、エージェンシー、
プロダクションで、知らないスタッフばっかり
だったけど、それはそれで刺激的で
楽しかったけどね。
面白いものが減ってきている
―― ちょっと次の質問にいっていいですか?
嗣久さん、元々九州ですけど
九州で何年でしたっけ?
田中九州で演出をやってたのは、多分5年ぐらいかなあ。
東京に来て、15年ぐらいになるのかなあ。
―― つまり20年ぐらいやってますよね。
その20年って、世の中も広告業界も
いろいろな変化が起きてるし、
環境も変わっているところも
もちろんあるんですけど、嗣久さんが
この広告業界に身を置いていて、
ここって変だよなとか、
ここおかしいよなって
思うことってあります?
田中表現としては、昔より面白いものが減ってきてるよね。
理由の一つの、PPMで事前に判を押しながら
決めていく文化が根付いたのはしょうがないところは
あるんだけど、もちろん理解はしてるんだけど、
なんかねえ、やっぱ面白い表現が減ってきているってのは間違いないよね。
そこに対するちょっとしたストレスはあるかな。
―― それってどういうところが原因なんですかね。
田中大きな理由は、国力が弱ってきて社会に余裕が
なくなってきてるから、広告主が踏み込んだ
チャレンジングな表現を避けるというか、嫌がるというね。
簡単に炎上するような世の中になっちゃってるし。
あと制作費も減ってきているっていうのもあるよね。
その2つでの理由で、なかなかジャンプしたり
勝負できないというかね、おおらかな表現ができない。
それは嫌だなと。
―― いろんな情報をたくさん詰めこみたいとか、
チャレンジするのはやめておこうとか、
広告主も余裕がなくなってるっていう部分は
実際、あるかもしれないですよね。
田中この前、ある仕事で急に改訂編集することになって、
なんでかっていうと、社内調査での評価が
良くなかったみたいで、それでバタバタと修正作業を
やらないといけなくなって、苦労して編集が固まった
タイミングで、先行してオンエアされた修正前CMの
好感度調査の結果が良かったら、
やっぱり改訂しなくてよし!てことがあって。
後から出てきた調査結果が良かったから、
急遽やめるって、、。
せっかち具合がほんとにねえ。
余裕が無いってことだよね。
―― 調査は、いろんな企業で
取り入れられてますよね。
田中面白いものが減る一つの理由だよね、
表現する側からすると。
機能はするのかもしれないけど。
―― 嗣久さんが制作プロセスの中で、
こういうところがおかしいなとか、
こういうのは理不尽だなとか、
こういうところが変だなって思うことが
あったりします?
田中・・・・・・
―― 全然ないじゃないですか笑
田中いや、なんかあんま責任持たない人ってのは
いたりするよね、クリエイティブの話だけど。
―― それは、クリエイティブはこうあって欲しい
って何かがあるってことですかね?
田中クリエイティブはね、企画をする力も大事だけど、
実現する力がめちゃくちゃ大事だと思ってて、
企画を実現する責任者だから、クライアントと
戦う部分も結構あるじゃない?
クライアントとスタッフの間に立つポジションだから、
どっちもできる人じゃないとなかなかね。
クリエイティブが振り回されると
こっちも振り回されるからね。
ちゃんと指針を与えて、それをブレずに突き進める
ような状況にしてくれる人、それで防波堤にも
なってね。
その二つ、企画力と実現力を
持ってる人ってのが良いよね。
―― プロダクションに求めることはどうです?
田中プロダクションに求めること?
飲みながらよく話すことだけど、
PMがようやく育ったなって思ったら、
若くしてプロデューサーになっていくじゃない?
―― はいはい。
田中あの感じは、スタッフ側からするとなかなか辛いよね。
スタッフがPMを育てる側面もあるんだろうけれど、
そこでストレス抱えるのはちょっと嫌ではあるよね。
―― プロデューサーになったら
役割は変わってきますよね。
田中まあ、そうだよね。
プロデューサーになりたてはね、
多分そんなに自分の仕事もないから、
PMに近いポジション、PMとプロデューサーの
中間みたいなやり方でやってくれてるから
まだいいけど。
―― プロダクションは、やっぱりプロデューサーが
仕事を取ってこないといけないですからねえ。
田中そうなんだよね。
そこを考えるとね、若くしてなっておかないと、
跳ねるプロデューサーが出てきづらいからね。
分かるんだけどねー。
―― スタッフに求めることってあるんですか?
田中スタッフ?
現場スタッフでいくと、求めること、、、
専門のフォーカスマンが欲しいみたいな笑
そういうポジションがあってもいいんじゃないか
ってことは、思うけど。
海外行くとフォーカスマンが専門職で存在してて、
その腕が確かだし。
日本ではカメラマンになる通過点の立場の人が
やってるからね、、うん、専門職があっていいなと思う。
他にスタッフに求めることって何かあるかなあ、
みんないい人ばっかりだしなあ。
―― 嗣久さんの周りは、いいスタッフが集まってますからね。
演出は頑張ったもん勝ち
―― さっきの、映像制作の現場だったり労働環境、
こういうとこがおかしいとかはどうですか?
田中業界全体では、ここ5年ぐらいで働き方が変わってきてんじゃん。
でも、クライアントありきの都合でスケジュールが
進んだりするから、試写は月曜日です、てことが
多くなったなと思って。
俺の実感だけど。
土日試写は少なくなったと思うけど、代わりに月曜試写が増えてスタッフは土日にガッツリ仕込むみたいな。
―― 僕らはもっとそこが切実で、
試写だけじゃないですよね。
プレゼンが月曜だと絶対に。
田中そういう話は聞くよね。
―― PPMが月曜日になったら土曜日や日曜日にも資料作らないといけないし、
それは昔からプロダクションは声を上げてたりするけど、そんなに全体的に大きなムーブメントに
なってないんで、あんまり変わらないですね。
田中ギリギリにしか固まらないことが多いからね。
本当は何か条例か法律かわかんないけど、
時間外に働くのは違法ですよ、
ぐらいのことにしないと無理だよね。
―― あと、スケジュールがタイトな場合も
結構ありますよね。
やっぱり企画を決めるっていうところに
時間が割かれるようになっていて、
決まったとこからの納品のところが
とてつもなく短いっていうパターンが
結構あるんで、
それって、本当は
エージェンシーの人たちも大変になるし、
プロダクションも大変だし、スタッフも
大変だし。
田中仕上がりにも影響するしね。
企画が定まっていない状態なのに、撮影までの時間が
無いから、もう無理矢理演出コンテを描くしかない!
てこともあるし。
それで良いものができるわけないもんなあ。
―― 他どうですか?
田中俺の場合、そんなにタイトな仕事の入れ方を
しないからなあ。
―― 嗣久さん、ハードなものが多いですからね。
田中そうね。時間がかかるのは、撮影期間と
オフライン期間、あと仕上げもね、
あとは演出コンテか。
昔は朝までコンテ書いてたけど、今の本数のだと、
徹夜することもないしね。
でも、演出ってやったもん勝ちなところがあって、
頑張ったもん勝ちっていうか。
―― 頑張るってすごいざっくりした言い方ですけど、
どういう?
田中考えることと検証することに時間をかけたもん勝ち
ということかな。
演出コンテ作業もそうだし、オフラインにしても
そうだし、昔よりは1個1個の判断だったり
取捨選択の判断は検証しなくても分かるものが
増えてきて時間がかからなくなってはきてるけど、
徹夜がなくなったとはいえね、何日もかけて考えるし。
だからポジションによって、労働時間に対する
考えのズレってちょっとあるよね。
例えば今日のオフラインなんかもね、
多分夜中になっちゃったりするから、
付き合うスッタフがちょっとかわいそうではあるけど。
だからそういうのも何時までしか作業をしちゃ駄目
っていう全体すり込みができてれば。
オフラインをあと1日増やすとかね。
あと、さっきも言ったけど、
プロダクションは苦しむよね。
数年前、上海の仕事をしたときに、発注の時点で、
この企画を3日間撮影でやれますか?とかの、
いくつかの条件提示があって、それを受け入れた上で
参加したんだけど、やれることの線引きが
はっきりしてるから、関係が健全なの。
で、その上海の仕事は、企画が決まってから
クリエイティブがプロダクション競合を
かけたらしくて、プロダクションはこの企画を
この予算でこういう風に仕上げます、仕切りますって
提案をして、その上で、じゃあお願いしますって
やつだから、エージェンシーとプロダクションの
関係も対等なんだよね、
映像作りのプロフェッショナルとパートナー関係に
なるみたいな。
あの感じはすごい良くて、
日本でよくある進行しながら製作費のことで
苦しむってことがないから、
制作部が明るいんだよね。
―― それは言い換えると日本の制作は暗い?笑
田中そうそう笑
最近は明るいように思うけどね。
俺が仕事してる相手が良いだけかもしれないけど。
以前だったら、みんなもう疲弊して
どんよりしてる雰囲気あったけどね。
でも上海のあの雰囲気はいいなと思ったな。
―― それぞれができないことをやってるから、
お互いにもっとリスペクトがあると、
さらにいい仕事になりますよね。
他にプロダクションでどうどういうところが
変わってくるといいなってあります?
田中さっきのPMをもうちょっと長くやっても
いいんじゃないかって話と逆の話なんだけど、
リスペクトを持った関係って意味では、
PMじゃなくて、いきなりAP?ラインP?て入り方も
あるよなって思ったりはちょっとしてるけどね。
スタッフとの会話が対等になるっていうか。
―― それで変わりますかね?
田中いや、海外の仕事やるとさ、いないじゃんPMって。
―― PMの役割の人はいますけど、
現場の最前線にはいないですよね。
話す相手は、プロデューサーですよね。
田中そうだよね、みんなプロなんだから、
発注の流れ的にはトップダウンだけど、
仕事の進行上は横並びのパートナーになっていると
いいよね。
―― でも、昔に比べて、スタッフの人が
聞く耳を持ってくれるってのもありますね、
こういう条件なのでこういうふうに
したいんですけどって話したら、
話を聞いてくれるというか。
田中それはそうね。
単純に制作費もどんどん減ってきてて、
聞かざるを得ない状況になってきてるのもあるよね。
―― もちろん、最前線でやってる人たちっていうのは、
そういうとこの癖はありますけど。
田中でもそれを聞かないと
成立しない状況になってきてるのかな。
―― 売れている人じゃないですか、
売れてるってことは、その人の演出力とかね、
いろんなセンスとか、
さっき嗣久さんが言った頑張るっていう、
本当に考え抜いてどうすればいいかって
思ってるから、
こだわりが強くなるんですよね。
こっちも、それに応えたいという
プロダクション魂みたいなのもありますし。
田中いいね。
―― 美術費の問題ってのはどう思います?
どこのプロダクションと話しても、
やっぱり課題にはなっていますけど。
美術費が占める割合ってやっぱ予算の中でも
大きいので、そこの金額がオーバーすると
結局全体が厳しくなるというか。
田中そうね、時間切れで、
もうこの美術プランのままやるしかない!って時
たまにあるけど、それは良くないよね。
でも、そもそも美術費がいくらぐらいかかってるか
って全く分かってないけど。
―― 監督って美術費のことって
あんまり言わないですよね。
田中プロダクションでもよく分かってないじゃん、
見積もりもらってるのに。
俺は値ごろ感がどのくらいなのか全然分かんない。
―― プロダクションはね、
そこ昔から課題としてありますね。
みんなで頑張って魅力のあるCMを
作っていくしかない
―― ちょっと大きい質問なんすけど、
業界がもっと魅力的になるとか
キラキラしてくとか、
そのために必要なこと
ってなんだと思います?
田中それは、この業界に入る前の人に対して?
入る前の人に対してだと単純に広告映像って
面白いなって思ってもらうってことが根本にあるよね。
―― ありますよね。
田中俺も学生時代に日清のハングリーとか見たときに、
CMって面白いなって思ったし。
何となく入る前の人から見て、今だにこの業界
華やかそうなイメージはありそうじゃん。
昔より派手で面白い表現が減ってきてるのはあるけど、頑張って華やかで面白い表現物を作ってく
しかないよね。
業界に入ってからってなると、、
プロダクション目線の話だけど、
プロデューサーになることへの憧れが
なくなってきてるよね。
昔ってプロデューサーになりさえすれば
みんな大体売れるみたいな感じだったと
思うけど、今はそういう状況じゃないじゃん。
売れる人は、ほんの一握りだから、
プロデューサーになることが結構な賭けに
なっちゃう。
最近さ、知ってる40代半ばのプロデューサーが
何人か辞めたりしててショックなんだよね。
同世代だし。
―― プロダクションはそうですね、
50代まで仕事をキープしたまま
ずっとできる人って、
田中あんまりいないよね。
―― でも昔に比べて、今の方が
現役でやっている年齢は上がってきる
気がしますけどね。
田中でも、社内で管理の立場に入っていける人は
一握りだよね。
―― 今、プロデューサーになったら
大変そうだなとか、
田中そうなんだよ。
―― やっぱり、プロデューサーは数字の目標や
作る上での責任があったりとかして、
大変だから魅力的に見えてないんですかね。
楽しいと思うんですけどねえ。
田中そうやれてる人は、下から見たら、
ほんの一握りだからね、全プロデューサーの中の。
―― それをどう変えていけばいいんですか?
田中プロデューサーが楽しく見えるには
どうすればいいか、、。
昔はそう見えたってことだよね。
―― やっぱり仕事を取ってくるっていうことが
本当大変だから、
みんなやりたくないって
思ってしまうこともありますよね。
田中プロデューサーって仕事を取ってくるしかない
っていうイメージがあるけど、
じゃなくても生きる道があるといいなって思うけどね。
作ることに力を発揮するラインP向な人もいるんだし。
―― プロデューサーの役割は、
仕事を取ってくることと、作ることであって、
仕事を取ってくることが苦手な人もいるから、
役割を分けるのもあるのかなと思うことも
あるんですけど、
作ることだけでいいよ
ってなっちゃうと、仕事を取ってくるっていう人が
いなくなっちゃうんじゃないのかなって。
田中そうね、二極化した時に、
その仕事を獲ってくるプロデューサーに
求められる動きがいよいよ営業になっちゃうしね。
システムにするとそうなっちゃうのかもね。
難しいね、そこ。
―― 難しいけど、そうっすね。
ただ、仕事をお願いされるのって
めちゃくちゃ嬉しいんですよ。
自分を選んでお願いしてくれるって、
すごいやり甲斐になるんで、
モチベーションに繋がりますね。
結局、仕事を出してくれる側もその人に
やってほしいから頼んでいるんであって、
作るプロデューサーが変わったら、
その人に頼めばいいだけですしね。
でも、結局は、仕事があるかないかが
プロデューサーの不安要素の
本当に大きい部分で、
年齢が上がっていくと
そこの不安が増してくるというのは
あるかもしれないですね。
田中将来への不安もあるだろうね。
フリーランスに近い考え方だね。
―― その辺って、フリーのスタッフは
みんなあるじゃないですか。
田中あるある。でも慣れるよね。
早めにフリーになるからさ。
―― 嗣久さんは大丈夫だよねって言われてるし、
実際そうだと思うんでいいんですけど。
田中常に崖っぷちな怖さはあるけど、昔に比べたら全然。
あと、寂しさが無くなってきた。
辞めた後、数年は寂しかったな。
なんか1人ぼっちなんだっていう。
―― 今、めちゃくちゃ楽しそうですよね。
田中だから仲間をね、増やしたくなるんだろうな。
―― 若い人に言いたいことあります?
田中何だろう?
僕はこの年になっても楽しめてますよって
言いたいかな。
自分が今、楽しいから、みんなも頑張って、
未来への不安はあるかもしんないけど、
頑張れば、楽しめる人生がね、
先に待ってますよっていう。
―― いいですね笑
VOYAGER ディレクター
1974年生まれ。福岡大学卒業後、福岡の映像制作会社VSQ入社。2002年にディレクターとなり数々の地方cmを手がける。2007年フリーランスのディレクターとして独立後、拠点を東京に移し活動。
主な仕事は九州新幹線全線開業、カロリーメイト、ポカリスエット、天然水、マクドナルドFamily Brand Storyシリーズなど。
- 聞き手/株式会社 AOI Pro.
プロデューサー
山田 博之 - 記事公開日/2024.6.4